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ウランガラス電球(カナリア電球)
東芝ライテック株式会社にある、現存するのは多分これ1個という貴重なウランガラス電球(カナリア電球)を見学してきました。(2012/6)
電球の歴史は、1879年にエジソンが実用電球を発明し、日本では、明治23年(1890)に藤岡市助が設立した「白熱舎」で白熱電球が製造されました。
(右写真は、藤岡の電球)
同社は、明治32年(1899)に「東京電気株式会社」に社名変更しました。
明治35年(1902年)には品川硝子製造所の跡地と技術者を利用し、東京電気が同名の「品川硝子製造所」という試作施設を設置して、白熱灯のガラス球の生産を開始します。東京電気50年史には「良好なガラス球製造技術を確立するのに、品川硝子製造所の貢献は多大であった」と述べています。
その後、東京電気は東京深川に大工場を建設し、明治39年(1906年)頃には、年間約百万個の電球を生産し、日本中に供給しました。
同社は、昭和14年(1939年)に芝浦製作所と合併し、「東京芝浦電気株式会社」(現在の「株式会社・東芝」)となります。 |
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詳しくは、国立科学博物館の「白熱電球の技術の系統的調査」(石崎直義)に出ています。所で、同資料によると、
大正9年(1920年)に「カナリア電球」という名前の電球が開発された。この電球はウランガラスを使用した特殊な電球で、ガラスバルブが黄緑色(カナリア色)に見える電球である。ウランガラスは蛍光特性を持っており、紫外線や青色光を吸収して520nm近傍の光(黄緑色)を放射するので、明るさを減らさずに、紫外線と青色を減らすことか出来る。効果としては眼精疲労を減らすことか実験的に確かめられ、目に良い電球として販売された。
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とあります。
東芝未来科学館にある当時のカタログ(ここをクリック)によると、100V用、200V用があり、40W、60Wの2種類があったとのことです。そのカタログには、
マツダ・カナリヤ電球は共硝子球をウラン硝子を以って製作してありますから、紫外線の放射を絶対に防ぎ、光線は温か味のある黄色を帯びて居ります。眼を灯火に於いて劇しく使う場合に其障害を予防し、又養蚕燈としては特殊の性能を現し、非常に有効であることが各地で実証せられて居ります。
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とあり、養蚕にも利用されたということです。
下記写真の電球は、上半分が艶消しになっています。「艶消し電球」は大正14年(1926年)に東京電気が発明したので、この電球もそれ以降ということが分かります。
また、電球の表面に「マツダ」の文字が見えますが、上記の石崎氏資料によると、マツダマークは大正14年(1926年)から使用されたとのことです。
他に、「瓦斯」のような文字が見えます。「アルゴンガス入り電球」は大正4年(1915年)の発明なので、これからも時代が分かります。
100V・60W。高さ約10cm、幅約5.5cm(現在の電球より1割程度大きいです)。
自然光ではウランガラスには見えませんが、紫外線で緑色蛍光を出します。
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