ウランガラス鑑定教室
 「ウランガラス(UG)が本物かどうか真贋を確かめたい、どうすれば見分けられるのか?」ということはUGコレクターの基本的要望ですね。UG同好会の皆さんの技術力を持ち寄って、UG鑑定教室を開催します。
 なお、値段に付いては当面、鑑定しません。同好会HPに紹介している英語のウランガラスの本はどちらも現在の流通値段が出ているので、鑑定値段はそれを見てください。

1)黄色のウランガラス

 UGで一番製造量が多いのは黄色の透明なUGです。黄色に少し緑が混ざったような色で、光を通す透明なガラスです。この黄色はウラン独特の色で、まず、間違えようがないでしょう。UGがカットしてあれば、太陽光または蛍光の下で、カット部分から蛍光が反射して出てくるのですが、黄色のUGは殆どプレス・ガラス、つまり型押しガラスで、カットしていないのが多いです。従って、紫外線ランプで緑色の蛍光を出すかどうかで判別するのが確かです。携帯用の紫外線ランプ(ブラック・ライト)は、大きい電器屋さんか、東急ハンズなどで買えます。
 「蛍光」とはウラン原子が紫外線のエネルギーを吸収して励起され、その直後にそのエネルギーを可視光の形で放出するもので、UG蛍光の緑色波長はウラン原子に固有です。従って、絵の具のように他のものと混ぜて色を変えることは不可能です。つまり、UGの蛍光は全て同じ緑色である、ということです。赤色蛍光のUGや、青色蛍光のUGというのは存在しません。
(*)

仏バカラ社製品
 また、英国のデビッドソン製品などは、黄色の周辺に少し白い部分がワセリン(軟膏の原料)をかけたように見えるのが特徴です。熱処理などによって不透明(白く)しているといわれています。(黄白色の不透明なガラスを「ワセリンガラス」と称して売っている人がいますので、買う前に、緑色の蛍光を出すか確認しましょう。)
 米国では、UGを「ワセリンガラス:Vaseline Glass 」と称していますが、その名前は、元々、石油から製造したワセリンが黄緑色をしていたから、その名前が付いた、とされています。米国で、黄色のUGのみを純正VASELINE GLASSとして収集する人が多いのは、そういう訳だそうです。

(*)上にこう書いたら、「UGの上に別の色、例えば赤ガラスを重ねたらどうなるのですか?」との質問がありました。試して見ると、緑色の蛍光は赤ガラスを殆ど透過できないのですが、弱い橙色の蛍光色に見えました。


2)緑色ウランガラス

 黄色に比べると恐らく1/10くらいの生産量でしょうか、透明で緑色のUGがあります。上の1番のウランガラスに酸化鉄を加えることにより、この緑色を出したと言われています。
 ところで、この色は銅などでも全く同じ色を出せるので、自然光での色だけでは見分けられません。大正時代に製造された日本のUGは殆どこの緑色の型押しガラスで、これらも自然光では見分けられません。ただ、海外の緑色UGはボヘミア地方や英国での生産が多く、ワイングラス等はカット・ガラスされているのが多いです。蛍光はUG内部を反射してカットされた部分から出て行くので、太陽光または蛍光灯などで見たときに、カット部分の緑色が強ければUGです。しかし、緑色UGも、やはり紫外線ランプで判別するのが確かです。
 ただ、この前買ったネックレスは、自然光では緑色ですが、青緑色の蛍光を出していました。しかも通常の1/100の放射能があり、これは何か頭を悩ませています。しかし、1/100量ではウランとしての性質をだすことは考えにくく、UGではないと思います。今の所、自然光では緑色で、青緑色の蛍光を出してるガラスはカリガラスと考えています。そして、放射能はカリウム-40によるものと思います。カリウム-40は天然カリウムの0.01%の割合であり、ガラスの中のカリウム量を10%と仮定すると、カリウム-40は10PPMの存在量で、これだと放射能はUGの1/100となります。このカリウム-40は半減期120億年で、ベータ線とガンマ線を出します。
 なお、宝石のペリドットも緑色をしており、緑色蛍光を出します。ブローチなどの小物については注意が必要です。もっとも、UGよりペリドットの方が値打ちがありますが・・・。
 また、緑色ガラスで緑色蛍光を出す香水がデパートなどで販売されてます。右の写真は、ニナリッチの香水瓶です。これは、透明な無色ガラスに緑色蛍光塗料を塗ってあるのです。このことは、UG同好会会員のYさんが見事鑑定されました。


3)青色ウランガラス

 「青色のUG」というのが存在するかどうか、UG同好会でも結論が出ていません。青色はコバルト等で出せるので、自然光では判別できません。青色ガラスで青色の蛍光のものは、明らかにUGではありません。もっとも、これは何の蛍光かは分かりませんが、螢石の蛍光が青紫色なのでこれかも知れません。
 青色ガラスで、緑色の蛍光を出すものがあるので、困ります。ただ、蛍光も純粋UGのような緑色ではなくて、少し青が混ざって濁ったような青緑色です。青色で蛍光が青緑色のガラスは100円ショップでも買えます。でも、こういうものはUGではありません。下側の写真は紫外線下ですが、後ろのUGの緑色蛍光と違い、青緑色です。
 今の所、青色ガラスで、蛍光があり、かつ放射能がある物は発見されていません。(次の品物を参照)。
 苫米地さんは著書「ウランガラス」の中で「はじめて購入したUGは青色で放射能量は通常のUGの1/100だった」と書かれています。この量だと数PPMのウラン量になり、実際問題としてこの量のウランを測って製造することは不可能でしょう。恐らく、上に書いた様にカリウムー40の放射能と思います。UGではないように思われます。(カリガラスについては、最後の注を参照)
 マンガン入りのガラスはオレンジ色または緑色の蛍光を出すことが知られており、青色ガラスの蛍光はマンガンによる蛍光かと思われます。ただ、蛍光を出す金属は他にもあるので、もう少し研究が必要ですね。

青色で、青緑色蛍光のガラス。100円ショップで購入。
UGではありません


青色のUG???
 上の記事で「青色ガラスで、蛍光があり、かつ放射能がある物は発見されていません」と書きましたが、2002/7訂正します。
これは緑色成分は全くなく、青色のガラスのコップです。ただ、青緑色の蛍光なのが気になりますが、放射能がわずかにあります。普通のUGの放射能の何十分の一という量です。今の所、UGの可能性があります。(しかし、このコップの花の絵はモダンで、昔のものとは思えないですね。)

2008/11、OKさんから「これは1819年創業の石塚硝子株式会社製のコップで、製造されたのは1970年代である」と教えて頂きました。石塚硝子は戦前、UGを製造していましたが、このコップは1970年代とのことなので、UGの可能性はなさそうです。
しかし「1970年頃に、同社はウランガラスの実験をしていた」という記事(ここをクリック)もあり、もしかしたら、UGかも知れません。
青色UGの日本製時計
 2012年の骨董ジャンボリーの和もの骨董店で買った綺麗な透明青色のガラス枠の置時計です。文字盤に「MADE BY TOYO CLOCK FACTORY JAPAN」と書いてあるので、1920年頃にUG時計を販売していた東洋時計の置時計です。
LED式の紫外線灯でも蛍光が見え、「ベータ線+ガンマ線」だと、自然界より30%位高い程度の放射能なので、UGと思われます。
大森潤之助さんの「日本のウランガラス」によれば、大正末〜昭和15年頃、ガラス置時計が流行し、八重田常吉が数多くの時計枠を加工し精工舎に収めていたとのことで、東洋時計も納入先の一つだったのかも知れません。
時計の裏側に「上水道竣工紀念」「松本市」とあり、大正13(1924)年製造と分かる。


米国製の青色のフクロウ
 上の日本製UG時計と同じく、きれいな青色で、海外製品では多分、初めてと思います。「ベータ線+ガンマ線」だと、自然界より30%位高い程度の放射能なので、UGと思われます。
知恵の象徴とされているフクロウが本の上に乗っているデザインで、土台の本に「WG」つまり米国Westmoreland社のマークがあります。
これを販売した中西会員のお話では、このデザインは米国最初の女性ガラス工芸家Elizabeth Degenhartのものとのことです。従って、1960年頃の作品でしょう。(2012年7月記)


水色UG発見!
 ついに、完全な水色(正確には透明な青色)のウランガラスを発見しました。これはチェコのプラハの空港のお土産屋で買った直径4cmほどの地球儀です。
緑色の要素は全くなく、非常にきれいな薄い青色、つまり水色です。
紫外線では、UGと同一の緑色蛍光で、かつ、放射能も検出されたので、間違いなくウランガラスでしょう。(2005年5月)
水色UG、日本でも完成!
 岡山県・人形峠の「妖精の森ガラス美術館」では、戦後初となる国産ウランガラスの製造を始めましたが、2006年ころ、完全な水色(正確には透明な青色)のウランガラスを製造しました。
上のチェコの地球儀より美しい色で、これは直径6mm程のペンダントトップで、UGジュエリーの名にふさわしい品です。
紫外線では、UGと同一の緑色蛍光で、かつ、放射能も僅かにあります(当然ですが)(2008年11月追記)
米国でも発売、コバルトブルーのウランガラス
米国のボイド(BOYD)社が、コバルトブルーのウランガラス製品の販売を始めました。
右のスッコティ・ドッグは、犬の後ろの方に若干、緑色がありますが、前半分は完全は青色(濃い青色、または藍色)です。今の所、動物ものや、人形などに限られていますが・・・
(2010年1月記)


青緑色のUG(左側) 
 これはほんの少し緑色がかっていますが、2番で展示しているような緑色ではなく、青色に分類できそうです。右側に示すように、きれいな緑色蛍光で、放射能も検知でき、立派なUGです。
米国MOSSER社(1964年創業)の作品。


和ものの氷コップ(非UG)
これは、和ものの氷コップで、多分、カリガラス(カリウム化合物をベースとするガラス)でしょう。
カリガラスの中には、ブラックライトを照射すると黄色の蛍光を出すものがあります。水色や青色のカリガラスにブラックライトを当てると、器の青色と蛍光の黄色が合成されて弱い緑色の蛍光が発光するように見えます。(大森潤之助著「日本のウランガラス」P68)

カリガラスは、K40(カリウム40)から微量のベータ線が出ているので、ベータ放射能を詳しく測定してみました。
@水色氷コップの5回平均値20(標準偏差7)
Aなし(バックグラウンド)の5回平均値14(標準偏差3)
自然界の放射能は変動していますが、どうやらバックグラウンドよりは、多少高い値が出ています。以前、ボヘミアのカリガラスも同様の結果でした。このことからも、カリガラスと言えそうです

直径は約10cm 高さは約7cm。右側は蛍光灯式の紫外線灯で撮影
(LED式の紫外線ランプでは黄緑色の蛍光が観察できないので、UGでないことは確かです)
非会員jのKK氏の所有物で、許可を得て、当HP管理人が測定・撮影。
2010/3記。


 ウラン元素は、蛍光灯式ランプの短波長(強いエネルギー)でなくても、紫外線LED(波長が長い=弱いエネルギー)でも緑色の蛍光を出します。紫外線でなくても、紫色の光や青色の光を当てても、同一の緑色蛍光を出します。
 所で、蛍光灯式ランプの紫外線はエネルギーが強いので、ガラスに含まれる(ウラン以外の)各種の微量金属と反応して弱い蛍光を出します。金属の種類によって、青色、水色、緑色、オレンジ色、赤色などの蛍光が出ます。
 従って、これらを区別するには、純正ウランガラスと、疑わしいものを並べ、LED式の紫外線ランプを当てれば、区別できます。全く同一色の緑色蛍光であれば、ウランガラスと言えるでしょう。

ウランガラスの見分け方:

1)自然光で主に黄色または緑色で、UV-LED(LED式紫外線ランプ)で緑色蛍光が出るものはUG。
  (自然光で黄色・緑色以外のものについては、この頁をご覧下さい。
隣に本物のUGを置いて、蛍光の色を比べ、青色など別の蛍光が混ざっている時はUGではない。

2)UV-LEDで緑色蛍光が出ないものはUGではない。 (逆に緑色蛍光以外の蛍光が出るものはUGではない)

3)蛍光灯式の紫外線ランプに反応するガラスは色々あるので、UV-LEDで確認する必要がある。

4)自然光で水色・青色等で、UV-LEDで緑色蛍光が出るものは放射能測定しないとUGかどうかが分からない。これは、黄色い蛍光が出る場合、本体の青色と混ざって、緑色蛍光に見える場合があるから。

5)自然光で透明に近い大正昭和の和ガラスは注意する。絶対とは言えないが、99%、UGではない(下記の14番のUGを御覧下さい)。

UG鑑定の最後の手段は放射線測定器です。しかし、これは2-3万円しますから、普通のコレクターには無理ですが、無料で借りる方法を含め、下記をクリックください。
放射線測定器の記事については、ここをクリック下さい。


4)不透明で水色のウランガラス

 不透明で、きれいな水色のUGがあります。米国製品と言われていますが、今まで見かけたのは、これと、MH会員のものだけです。どちらも素性ははっきりしません。これはきれいな緑色蛍光をだすので、正真正銘のUGです。


5)オレンジ色のウランガラス(多分、UGではないもの)

 自然光でオレンジ色で、蛍光もオレンジ色のものはUGではありません。米国ボイド社の情報では、これは硫酸カドミウムの蛍光とのことです。ただ、私の持っているオレンジ色のネックレスはオレンジ色の蛍光でしかも放射能が通常のUGの1/100位あるのですが、恐らくこれはカリウムの放射能でしょう。なお、昔は屈折率を上げるためにトリウムをレンズに入れていたという記録があるので、トリウムかも知れませんが・・・。
 自然光でオレンジ色で蛍光が緑色のものがあるようですが、これはUGなのか、あるいはマンガンによる蛍光なのか分かりません(未調査です)。

UGではありません


6)不透明ピンク色のバーミーズガラス

 不透明で薄いピンク色のUGがあります。UGにわずかな金(ゴールド)を混ぜたものです。今から100年前に、米国で特許が出されたもので、戦後、米国フェントン社が製造を始め、最近まで製造していました。(左側写真)
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 なお、現在もフェントン社は「バーミーズガラス」と称するガラスを製造しており、自然光では全く従来のものと同一です。しかし、蛍光を出さないので、UGではありません。また、フェントン社も「現在のバーミーズガラスにはウランを入れていない」と云っているそうです。このことは、フェントン社製品を輸入販売している神戸・内田商店さん(UG同好会会員リンクをご覧下さい)が確認されました。(右側写真)

UGではないバーミューズ(内田商店様ご提供)

「バーミーズガラス」とは「ビルマのガラス」という英語で、「ビルマの夕日のように赤いガラス」という意味で命名されたということです。

7)透明ピンク色のガラス(UGではないもの)

 自然光では透明なピンク色で、紫外線ランプでは青緑色の蛍光を出すガラスがあります。UG同好会会員のNIさんからの鑑定依頼の品です。
上の青色UGと同じく青緑色の蛍光で、しかも放射能がありませんでした。従って、残念ながらウランガラスではありません。

UGではありません


8)紫ピンク色のウランガラス(Cranberry Glass)

 いわゆるCRANBERRY(紫ピンク色)ガラスのうち、紫ピンク色の部分が紫外線ランプでは緑色の蛍光を出すガラスがあります。蛍光色からも、放射能からも、純正ウランガラスと思われるものです。「クランベリー・ガラス」というのは、クリスタルガラスの上に、紫ピンク色や赤色の薄いガラスを被せて製造したもので、コレクターもいるようです。なお、紫ピンク色の層は、金(ゴールド)の塩化物で着色されています。実際、左側の花瓶の底は緑色に見えます。つまり、中心部がウランガラスで、表面に着色層があるということです。(米国GIBSON社2003年製作の刻印あり)
 右側のCranberry Glassのネックレスは水戸のMH会員から頂いたもので、英国製のアンティークと思われます。こちらの色は紫ピンク色というより、朱赤色と云えそうです。こちらは、表面だけでなく、中まで朱赤色に見えますが、もしかしたら、花瓶と同じ仕組みかも知れません。


9)茶色のウランガラス

 一見すると茶色または琥珀色ですが、日光などの紫外線の多い光の中で多少緑色にも見える透明なUGがあります。これは紫外線ランプの下ではきれいな緑色蛍光をだすので、正真正銘のUGです。
英国ウェブ社製品

仏ドーム社の現代製品


10)不透明な象牙色のウランガラス

 米国ボイド社は、色々研究しているようで、これも一見すると左の薄い茶色のような色ですが、右のように紫外線の下で緑色蛍光をだし、放射能も測定され、、正真正銘のUGです。


11)不透明な白色のウランガラス

 「カスタード・ガラス」と称される不透明な白いUGがあります。一見すると陶器のように見えます。欧米では陶磁器が貴重だったために、それを真似て白くしたのでしょう。これは蛍光で見る以外に判別する方法はありません。緑色の蛍光を出すなら本物のUGです。
(右写真は、米国ノースウッド社製、「ルイ15世様式」と命名されている。1898年の作品)



12)不透明な緑色のウランガラス

 「アラバスター・ガラス」と称される不透明な白緑色のUGがあります。主にボヘミアなどで生産されていたもので、翡翠(ひすい)などを真似た、とされています。光に透かせると、向こう側がかろうじて分かる程度の不透明さです。自然光でも独特の色ですが、緑色の蛍光を出します。


13)無色透明なウランガラス

 花瓶の取っ手の部分に注目下さい。ここは無色透明ですが、真っ暗な中で紫外線を当てると緑色の蛍光を出します。わずかにウランを入れているので、無色透明に見えるということですが、これも立派なUGです。
 所で、この花瓶は「バーミューズ・ガラス」(上記6番を参照)ということで購入したのですが、表側のピンク色は蛍光を出しません。よく見ると外側がピンク色ガラス、内側が白色ガラスで、いわゆる合わせガラスです。そして、内側の白色部分はUGで、紫外線で緑色蛍光を出します。おそらく、ピンク色のUGを製造しようと工夫したのか、あるいは、バーミューズガラスの特許(約100年前)を避けるために工夫したのかも知れません。時代的にはその頃のものでしょう。最初、ピンクの部分が蛍光を出さないので騙されたと思ったのですが、UGであることは確か(弱いながらも放射能もある)で、良い経験でした。


14)無色透明なウランガラス?

 UG同好会会員のAさんから、「日本製UGで、透明なものの中に、紫外線下で緑色蛍光を出すものがあるが、これはUGですか?」との質問があり、和ガラス収集家のK会員や、M会員に協力いただいて、いくつか放射能を測定してみました。緑色蛍光を示す無色透明の和ガラス7個のうち、2個だけに僅かな放射能がありました。自然光の写真では右のように透明ですが、僅かに黄色みを帯びています。恐らくUGということでしょう。透明感を出すためか、あるいは、偶々ウランが混入したのかは不明ですが、無色透明の和ガラスの中には、ウランガラスと思われるものがあるようです。(最終的には、放射能分析をして、ウランからの放射能かどうかを確定する必要がありますが。)
 和製ウランガラスは、大正から昭和の始めの10-15年しか作られていなかった、と云われていますが、プレスガラスなので、簡単に、また沢山作られたはずで、かなり出回っています。(2002/8)
ラリック社の戦前の透明ガラス製品も、紫外線下で緑色蛍光を出し、また僅かに放射能があります。ウランガラスのように思われます。(最終的には、放射能分析をして、ウランからの放射能かどうかを確定する必要がありますが。)(2002/6)
右は、紫外線下での写真。
上に書いたように、和物の透明なガラス器で、紫外線で僅かに緑色らしき蛍光を出す品の99%はUGではありません。ヤフー・オークション等には良く出品されるので、注意が必要です。
しかし、大正・昭和のガラスは、回収したガラスも原料に使っていたので、偶然にUGが混入してしまうことがあります。
UGとして製造されたものではないので、UGと呼んで良いかは微妙ですが、ウランによる蛍光であることは間違いありません。
その例が、右写真の小さなワイングラスです。自然光では透明ですが、LED式の紫外線でUG特有の緑色蛍光が見られ、僅かに放射能も測定されます。
(2015/7記、UG同好会会員のMKさんが、坂崎幸之助さんの店で購入したもの)


15)紫色のガラス(UGではないもの)

 自然光で紫色で、紫外線ランプでは青緑色の蛍光を出すガラスがあります。今まで、調べたのでは、米国フェントン社の紫色ガラス(右写真:YY会員ご提供)などがそうでした。下側の蛍光での発色が青緑色で、UGの黄緑色の蛍光とは違っています。また、これは放射能がありませんでした。従ってウランガラスではありません。今のところ、蛍光色で判断するしかないようですが、紫色のガラスにはご注意下さい。また、日本製の紫色ガラスでも同じようなものがあります。
UGではありません


16)放射能を含む黄色いガラス

 黄色いガラスで放射能を含むが、UGではないものがあるそうです。このガラスは蛍光を出さないのでUGではありませんが、別紙に解説記事を載せておきます。
UGではありません


17)蛍光を出さないウランガラス

 ウランガラスに金属を混ぜると、蛍光発生が妨害されて、蛍光が出なくなる、とされています。従って蛍光を出さないウランガラスが存在するようです。私は未だお目にかかっていませんが、大体、そういうものをどうやって発見するのか・・。


18) 蛍光(+蓄光)ガラス

 このガラスは蛍光物質として有名なテルビウムを含有し、その発光色は緑色です。水銀ランプを使って波長254nmの紫外線を1〜5分間程度照射するとその後約1時間緑色の発光が持続します。この緑色の発光は540nmにピークを示し、3価のテルビウムの発光です。テルビウムを蓄光材料の発光成分として使用した例はこれまでになく、また母体材料としてガラスを用いたものもありません。このガラスは亜鉛ホウケイ酸塩系ガラス組成からできています。(右記の住田光学HPよりhttps://www.sumita-opt.co.jp/ja/products/luminous-glass.html
左=通常光, 右=UV

UGではありません


19)ウラン陶磁器(ウランを釉薬に使った陶磁器)(詳しい記事は先をクリック)
厳密にはガラスではありませんが、色付け(釉薬)にウラニウムを利用した陶磁器があります。オレンジ色の陶器では、ドイツ製、米国製があります。また、日本では薄墨の陶器が製作されました。更に、ウランガラス自体を釉薬にした英国製の紅茶茶碗(磁器)も掲載しています。


20)番外編
・・・ええっ、こんなものがウランガラス???

 これは家人が横浜で米国製品だということで買ってきたものですが、招き猫ですから、どう見ても日本の製造品ですよね。
 この猫に付いている6個の緑色ガラス珠が紫外線で緑の蛍光を出すことは分かっていたのですが、どうせ蛍光塗料だろうと馬鹿にしてました。家人が「放射能を測ったら?」というので、「こんなものに放射能があったら、UG鑑定士免状は返上だな・・」などと思いつつ、測ったら。。。「ウッソォー」。ありました。他のUGジュエリーと同じ程度の放射能が・・・。正真正銘のUGです。もしかして、猫本体(プラスチック)の放射能かと思って裏から測定すると放射能は出ません。
 世界中で誰も知らない大発見(ほんとか?)ですね。皆さんのお宅も調べて見ては如何でしょう。しかし、金銭的な価値があるかどうかは疑問ですね(笑)。

注1)カリガラス
 ガラスは普通、ソーダガラスですが、チェコのボヘミア地方では森林のカリウムを含む木材の灰を使用したカリガラスが生産され始めました。今から300年前のことらしいです。家にあるアンティークのボヘミアン・ガラスを調べてみると、確かに弱い放射能(K-40による)がありました。


注2)蛍光を出す品々
 紫外線を当てると、蛍光を出す品は色々あります。
宝石では、琥珀、ダイヤモンド、オパール、めのう、スピネル、ルビー、真珠などが紫外線で蛍光を出します。(石によっては、出ないものもあります)

有機物の中には、紫外線で蛍光を出すものが色々あります。以前に話題になったのでは、ビール、ウィスキー、アリナミンドリンク、リボビタンD、炭酸飲料リアルゴールド(紫外線を当てるときれいな黄緑色の蛍光)などでした。

ついでながら、蛍光灯は、管の中で強い紫外線を出して、それを管の内側の蛍光塗料に当てて、光らせるので、蛍光灯と呼ばれています。なお、管の外に紫外線は出ないので、UGを置いても光りません。


注2)質問のある方
 ご質問・感想・参加希望の方はここをクリックして、書きこんで下さい。HP管理人へメール送信されます。分かる範囲でお答えします。






DAVIDSON社 UG
Rd番号 西暦
176,566 1891
1892
213,681 1893
212,684
212,864
212,752
237,038 1894
254,027 1895
285,342 1986
303519 1897
320,124 1898
340825(非UG) 1899
360167(非UG) 1900
なし 1901
なし 1902
413,701 1903
436804(非UG) 1904
464621(非UG) 1905
1906
1907
533,040 1908
695,113 1923




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